がん:肥満度で乳ガンの予後を知る
Medical News Today, 08/3/17
Body Mass Index May Serve As Prognostic Tool For Advanced, Aggressive Breast Cancers
ボディマスインデックス(BMI)は、進行性乳ガンや 侵襲性癌乳ガンの予後を推測するのに有効であるかもしれない
テキサス大学MDアンダーソン癌センターの研究チームの発表によれば、ある種の乳ガンにおいて、ボディマスインデックス(BMI)が予後を知るための”道具”として利用できる可能性を示唆しました。BMIは身長と体重より算出され、肥満度を示す指標です。
”Clinical Cancer Research” 3/15号に掲載された研究によると、非炎症性の局所進行乳ガン(LABC)及び炎症性乳ガン(IBC)の患者で、BMI値が高い場合、BMIが基準値内の患者に比較して、予後が悪いとのことです。
この研究の著者の一人であるMassimo Cristofanilli医師によれば、LABCやリンパ節近くまで癌が侵襲しているタイプの癌はアメリカで毎年新規で診断される乳ガンのうちの5%を占めます。無医地区ではLABCは新規症例の50%を占めます。IBCは大変侵襲性が高く稀である。アメリカで診断された癌のうちわずか1-2%程度である。
これまでの疫学及びレトロスペクティブ研究からは、太りすぎ及び肥満が乳ガン発症のリスクであるという相関性を示す結果は得られていない。
Cristofanilli医師は、「この研究は、侵襲性疾患または局所的に侵襲度が高く再発リスクが高い女性において、予後指標としてBMIは有用であることを示した初めての試験です。我々は、新規に診断された炎症性乳ガン患者の多くが太りすぎもしくは肥満であり、IBCは予後が悪いことに着目し、この研究を始めました。研究のアイデアは、もっとも侵襲度の高いタイプの乳ガンとの因果関係を明らかにすることですが、最終的には、予後に関して明らかにしたいと考えていました。」
レトロスペクティブ研究については、606人の患者を調査し、LABCが495名(82%)、非転移性IBC111名(18%)でした。全ての患者は1974年〜2000年の間にMDアンダーソンで臨床試験に登録された患者です。
BMIを調査すると、患者のうちの208名(34%)は正常もしくは低体重であり、194名(32%)は太り気味で、204名(34%)は肥満でした。肥満の割合は、非IBCが31%に対しIBCは45%で、IBCでより高かった。
全グループについては、生存率の中央値は8.6年でした。また、再発が認められなかった期間は5.8年でした。生存率及び再発が認められなかった期間ともに、標準もしくは低体重の患者に比較して、太り過ぎ・肥満患者は有意に劣っていました。
特に生存率に関して、太り過ぎのLABC患者にとって、5年生存率は45.3 %で10年生存率は29.1%でしたが、また、肥満のLABC患者の5年生存率は49.3%で、10年生存率は 43.7%でした。一方で、標準及び低体重のLAB患者の5年生存率は 55.1%であり、10年生存率は50.9% でした。
研究のデザインについては、全ての患者が同様のアントラサイクリン系の治療を受けており、患者の体重に基づいて用量は換算されていませんでした。
「もちろん、全面的な肥満を防ぐ介在を調査することは重要です。これらの結果は、将来の乳癌患者の発生率だけでなくそれらの長期転帰にも主な影響を及ぼすかもしれません」とCristofanilli医師は述べました。
「例えば研究の見地から、私たちは、なぜ炎症性乳ガン患者がより多く肥満である説明するため、肥満と内分泌系要因の関係をさらに検証する必要があります。私たちの次のステップは、乳ガン中の肥満と関係する特定の要因を見つけることです。我々はインシュリン、エストロゲンおよびレプチンについて興味を持っています。」 と、Cristofanilli医師は述べました。
Cristofanilli医師は、化学療法を受けている女性にとって、食事療法を行うことは難しいかもしれないと認めましたが、太り気味および肥満の患者の生活習慣を変えるのは、患者の予後につながるため、非常に重要であると述べました。
テキサス大学M.D.アンダーソン癌センター
http://www.mdanderson.org
Body Mass Index May Serve As Prognostic Tool For Advanced, Aggressive Breast Cancers
ボディマスインデックス(BMI)は、進行性乳ガンや 侵襲性癌乳ガンの予後を推測するのに有効であるかもしれない
テキサス大学MDアンダーソン癌センターの研究チームの発表によれば、ある種の乳ガンにおいて、ボディマスインデックス(BMI)が予後を知るための”道具”として利用できる可能性を示唆しました。BMIは身長と体重より算出され、肥満度を示す指標です。
”Clinical Cancer Research” 3/15号に掲載された研究によると、非炎症性の局所進行乳ガン(LABC)及び炎症性乳ガン(IBC)の患者で、BMI値が高い場合、BMIが基準値内の患者に比較して、予後が悪いとのことです。
この研究の著者の一人であるMassimo Cristofanilli医師によれば、LABCやリンパ節近くまで癌が侵襲しているタイプの癌はアメリカで毎年新規で診断される乳ガンのうちの5%を占めます。無医地区ではLABCは新規症例の50%を占めます。IBCは大変侵襲性が高く稀である。アメリカで診断された癌のうちわずか1-2%程度である。
これまでの疫学及びレトロスペクティブ研究からは、太りすぎ及び肥満が乳ガン発症のリスクであるという相関性を示す結果は得られていない。
Cristofanilli医師は、「この研究は、侵襲性疾患または局所的に侵襲度が高く再発リスクが高い女性において、予後指標としてBMIは有用であることを示した初めての試験です。我々は、新規に診断された炎症性乳ガン患者の多くが太りすぎもしくは肥満であり、IBCは予後が悪いことに着目し、この研究を始めました。研究のアイデアは、もっとも侵襲度の高いタイプの乳ガンとの因果関係を明らかにすることですが、最終的には、予後に関して明らかにしたいと考えていました。」
レトロスペクティブ研究については、606人の患者を調査し、LABCが495名(82%)、非転移性IBC111名(18%)でした。全ての患者は1974年〜2000年の間にMDアンダーソンで臨床試験に登録された患者です。
BMIを調査すると、患者のうちの208名(34%)は正常もしくは低体重であり、194名(32%)は太り気味で、204名(34%)は肥満でした。肥満の割合は、非IBCが31%に対しIBCは45%で、IBCでより高かった。
全グループについては、生存率の中央値は8.6年でした。また、再発が認められなかった期間は5.8年でした。生存率及び再発が認められなかった期間ともに、標準もしくは低体重の患者に比較して、太り過ぎ・肥満患者は有意に劣っていました。
特に生存率に関して、太り過ぎのLABC患者にとって、5年生存率は45.3 %で10年生存率は29.1%でしたが、また、肥満のLABC患者の5年生存率は49.3%で、10年生存率は 43.7%でした。一方で、標準及び低体重のLAB患者の5年生存率は 55.1%であり、10年生存率は50.9% でした。
研究のデザインについては、全ての患者が同様のアントラサイクリン系の治療を受けており、患者の体重に基づいて用量は換算されていませんでした。
「もちろん、全面的な肥満を防ぐ介在を調査することは重要です。これらの結果は、将来の乳癌患者の発生率だけでなくそれらの長期転帰にも主な影響を及ぼすかもしれません」とCristofanilli医師は述べました。
「例えば研究の見地から、私たちは、なぜ炎症性乳ガン患者がより多く肥満である説明するため、肥満と内分泌系要因の関係をさらに検証する必要があります。私たちの次のステップは、乳ガン中の肥満と関係する特定の要因を見つけることです。我々はインシュリン、エストロゲンおよびレプチンについて興味を持っています。」 と、Cristofanilli医師は述べました。
Cristofanilli医師は、化学療法を受けている女性にとって、食事療法を行うことは難しいかもしれないと認めましたが、太り気味および肥満の患者の生活習慣を変えるのは、患者の予後につながるため、非常に重要であると述べました。
テキサス大学M.D.アンダーソン癌センター
http://www.mdanderson.org
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